人と人を紡ぎ牟岐の町に希望を灯す

NPO法人 ひとつむぎ

団体イメージ

NPO法人ひとつむぎは、徳島県牟岐市を拠点に大学生が運営する教育支援を活動軸とする団体。中学生の主体性、協調性を育成するPBL型のプログラム等を展開します。牟岐キャリアサポートは、牟岐町で活動する大学生をサポートする中間支援組織です。

担当者:大西 浩正
TEL:090-3780-7625
E-mail:oonishi.hiromasa.1@gmail.com
ひとつむぎ 公式サイト牟岐キャリアサポート

「ハイブリッド型」で運営を継続

NPO法人ひとつむぎの中核事業は、中学生対象の課題解決型のプログラム「シラタマ活動」と、高校生に多様な学びを提供する「ローカルハイスクール」です。

これまでは大学生が現地で中高生と対話を重ねながら事業を実施してきただけに、新型コロナウィルスによる影響は大きなものでした。

しかし、これまで積み上げてきた学びの場を途切れさせてないため、「シラタマ活動」については、学校の臨時休業中もオンラインによりプログラムを継続させ、今年度は、消費者教育やSDGsの視点から「故郷の食」に関する探究的な活動を行いました。

また、ローカルハイスクールについても、夏春の合宿型セミナーを日帰りに変更したものの、県外大学生が牟岐町民とのパネルディスカッションや大学生が自分の専攻内容を紹介するセミナー等を遠隔地で企画、県内大学生が牟岐町で参加高校生に対応する役割分担で、オンライン、対面を組み合わせたハイブリッド型で開催しました。

大学生による町への「恩返し」

2014年から徳島県牟岐町内で開催されている、リベラルアーツを体現する学びの場「HLAB TOKUSHIMAサマースクール」。その運営に関わった大学生が「お世話になった牟岐町への恩返し」のため、ひとつむぎを設立しました。ひとつむぎは中高生に対するキャリア教育支援を通して、少人数で固定化された町内の子どもたちに、学校とは異なる学びや関係性を提供、活躍の場を与えています。このように、大学生が町に与える好影響を持続させるため、牟岐町(教育委員会)が事業の枠を固め、中間支援組織である牟岐キャリアサポートが大学生や地域サポーターを繋ぎ、ひとつむぎはプログラムの企画運営を担うという体制が整えられました。コロナ禍においても、中高学生と地域のつながりを維持してほしいという声に応え、オンラインと対面を組み合わせなら関係性を深めていきました。

ひとつむぎは「人を紡ぐ」

大学生の活動は、町に経済効果をもたらすことは難しくても、元気に活動する子どもたちの姿をつくり出すことによって地域を活気づけました。また、大学生が町民運動会など地域行事に参加することで、過疎の町に夢や希望を与えることができました。ひとつむぎから始まった大学生の活動は、県内外の大学、学生団体を数多く巻き込むまでになり、町民の中には、大学生は「不可能」を「可能」にする存在として、好意的に関わってくれる方が増えつつあります。「ひとつむぎ」は「人と人を紡ぐ」という意味と「牟岐で仲間が一つになった」という意味で名付けられましたが、コロナ禍においてもその原点に立ち返った取り組みで地域に一体感をもたらしました。

OBが「行政の場」で活躍

足掛け7年の活動を通じて、ひとつむぎのメンバーや、中学時代にプログラム参加者に参加した者が、牟岐町役場に就職するようになりました。また、中高生の頃にひとつむぎに出会い、大学進学後はメンバーとなった者もいます。今年2月21日、3月21日の2回、牟岐町出身の若者や、ひとつむぎをはじめ牟岐町で活動する大学生が集まり、活動情報を共有し、牟岐町の未来について考えるイベントが開催されました。ひとつむぎは、人材の循環を生み出し、関係人口を巻き込む役割を果たしていくことを通じて過疎の町に元気を与えています。
 
(2021年3月30日時点)

出典: 地方創生図鑑

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