地元出身の県外で暮らす大学生の多くが、第1回目の緊急事態宣言時に、帰省を自粛していることが予想されました。故郷である三豊市は、出身学生の一人一人の気持ちに寄り添い、いつでも共にあることを伝えるために、市長のメッセージと讃岐うどんなどの地元に所縁のある食品等を送付することを決めました。1か月間程度の期間で募集をしましたが、テレビや新聞等のメディアだけではなく、SNS等で学生同士により情報が拡散され、応募総数は444件にも上りました。学生からは、コロナ禍でも地元を思いやるメッセージや、地元を誇りに思うというメッセージが届き、物品を送付するという以上に、心の繋がりを実感できた事業です。三豊市は、この事業をきっかけに、シビックプライドの醸成やUターンの促進、関係人口の構築といった関係性を継続的に発展させていくことを目指しています。
事業の背景
2020年4月に第1回目の緊急事態宣言が全国で発令された頃、県外の大学に子どもを通わせている親から、学生への支援について検討をお願いしたいといった内容のメールが市に届いた。早急に市役所内で検討し、ゴールデンウィーク期間前に募集情報を届けること、5月末までには物品を送付することにした。三豊市観光交流局を委託先に指定し、連携することで、迅速な事業実施が実現した。
有識者コメント
多くの地域で、地域の若者が地域外に出て行ったまま戻らないと嘆いている地域が多い中、実際に地域の外に出て行った若者に対してコミュニケーションをとっている自治体は少ない中、積極的に直接コミュニケーションをとる行動はとてもユニークだと感じました。
この取組の特に注目してほしいポイント
関係人口というキーワードが注目される中、これまでその地域と一切関係のない人との関係を構築するよりも、身近な地元出身者との関係をしっかり構築できる部分です。
この取組と組み合わせたら相乗効果のありそうな取組
Goto キャンペーンならぬ、カムバックキャンペーンなどを仕掛けて、無理に都市部ではなく、地元でチャレンジをできる制度を作るとよいのではと考えています。
この取組をオススメしたい自治体
大学などが地域になく、若者が一定の時期になると地域外に出てしまう地域です。
出典: 地方創生図鑑
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